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開湯は約400 年前の1601 年(慶長6 年)とされるが、
そのはるか以前、金商人の「金売橘次」によって開かれていたとも伝えられる。
古くは「湯刈田」を地名としていた。
そのため現在でも「遠刈田」の読みは
「とおがった」と「とうがった」の事実上2 つ有ると言って良い。
江戸時代から、蔵王連峰・刈田岳山頂にある蔵王権現(現在の刈田嶺神社(奥宮))への講中登山の宿場町あるいは湯治場として賑わいを見せるようになった。
別の伝説によると、それは古い昔、蔵王山中の『三階の滝』には「大カニ」が住んでいて、
『不動滝』には「大ウナギ」が住んでいた。
ある時、「大カニ」は自分の住み家が小さいのを不満に感じ、
「大ウナギ」が住む不動滝を略奪しようと決闘を申し込んだ。
しかし、不動滝に住む「大ウナギ」は年老いており、
「大ガニ」に勝つことができないため、女性に化けて里に住む猟師に助けて貰うように嘆願した。
決闘の日、猟師は女性に言われた通り現場に向かった。
「大ウナギ」より少し遅れて到着した猟師が滝を見ると、
川は真っ赤に染っていてそこには「大カニ」だけいた。
猟師は銃で「大カニ」に狙いを定め撃った。
玉は見事ヒットし、回りの滝壺は血で真っ赤に染まりそれ以来「大カニ」の姿は見当たらなくなった。
一方、「大ウナギ」は、猟師が来る前に「大カニ」のハサミで3つにちょん切られて勝負に負けていた。
切り落とされた頭は青根に飛んで行き、胴体は峩々へ、尾は遠刈田に飛んで行った。
その後、
<頭>…「青根温泉」~頭痛、眼病に効能がある
<胴体>…「峩々温泉」~胃、腸、肝臓に効能がある
<尾>…「遠刈田温泉」~神経痛、婦人病に効能がある という言い伝えとなった。
今を去る 300 年前、当館の祖先「大宮三治郎」が山中で鹿が淋浴しているのを不思議に思い、土地の物知りの人達と調べたところ、良質の湯脈であることを発見。
当時の藩主の保護のもとに湯里を立てたところ、つぎつぎ近在の人達が集まり、それが湯治のはじまりとなって庶民の憩いの場として栄え、
藩内の士達も合戦や狩などで傷ついた身を癒す場となった。
その後、刈田峰神社への参拝者が、三治郎旅館にある湧き水茶屋で休憩することとなった。
その参拝者が、傘と蓑を着ていた姿が「かっぱ」に見えることから、「かっぱの出る宿」と噂が広がったとも言われ、現在に至る。
当時の裏山から流れ出る清水は「かっぱ」に薬水と教えられて以来、当館の館主は毎朝、お客様に「湧き水茶屋」にて朝茶を出すようになった。
幕末の頃より蔵王権に詣でる善男善女が多くなり、「大宮三治郎」が慶応4年大宮旅館の屋号のもとに湯治宿を開設。
繁昌とともに改築、祖先の遺徳を偲んでその名を旅館三治郎と改称し、今日に至る。
旅館三治郎は、遠刈田温泉街中心部の小高い丘にあり、蔵王連峰を 230 度眺望でのぞめる日本唯一の宿。
季節によって姿を変える蔵王連峰。
温泉から、客室から、駐車場から・・・宿の至るところ眺められる。
壮大に聳え立つ蔵王連峰を眺めながら、ゆったりとした心安らぐひとときを。
晴天のときにだけ現れる三階滝を望む「滝見の湯」、月夜に聳え立つ「月見風呂」
湯船に浸かりながら屏風岳を眺める「屏風の湯」。
また、壮大に聳え立つ蔵王連峰の壮大な姿、秋のシーズンには紅葉を楽しむ観光客だけではなく、撮影のため写真家の方も多く訪れる。
昔、「大宮三治郎旅館」の所に大きな池が有り、高後の山の下の方に温かい温泉が湧いていた。現在は、其の源泉の所に湯神様が祭られている。此の湯は池に流れ込んでいた。池には鯰鯉鮒などが澤山居った。鯉などは三尺位なものも居った様。此の湯は、天然に湧いている湯で昔から万病に効くと言い伝えられる。此の池の池口には、何時の頃から「かっぱ」が湯治に来るようになった。様々な病を持った「かっぱ」たちが次々と湯治場にやってきた。此の湯に、湯治に来る「かっぱ達」は必ず魚やうなぎ等を持って来て池の中に入れて育てていた。此の「かっぱ」は話に聴くと、白石川や斉川の馬牛沼の方より来て湯治をして病を治して帰った様だ。
また、三治郎旅館の少しした所に、「弥衣さん」と「六子豆腐屋さん」が居ったが、「弥衣さん」は、毎朝のように豆腐をのおからを持っていって池の所の平らな石の上において来たが、「かっぱ達」は喜んで食べていた。又此の池の湯に湯治をしている間に子供を産んで赤ん坊を育て帰った「かっぱ」もいたそうな。ここに来る「かっぱ」は決して人間に悪さはしないので、皆々に可愛がられていた様だ。三治郎旅館では、その池の上の方に、大きな柳の木が有るので、其のところに小屋を作ってやり、一匹の「かっぱ」は三年くらい此の池の湯の所に住んでいて、「湯守」か「かっぱのボス」の様な「大きなかっぱ」だったそうな。此の街の人達も此の湯は万病にきくと言って、湯をもらって茶筅を立て飲んでいたとのこと。
その後、だんだん「かっぱ」も死にたえて来なくなったが、今でも三治郎旅館は河童の湯として繁昌している。また此の湯に、湯治に来て疲れが治らず死んでしまった「かっぱ」もいたので、哀山の行人嫁と六子所に無名の石が立っているが、此れは「かっぱ」を葬った墓だと言い伝えられている。
かっぱの湯
当館は、宮城県主催の「食材王国みやぎ地産地消推進店」。
主な使用食材は宮城県産の「米」、「味噌」、「野菜・山菜」や「果物」、
また毎朝市場から直送される「新鮮な魚介類」、「乳製品」などの食材を使用。
名物は、三治郎でしか食べられない新食感の「でべそ茶碗蒸し」。
九州から特別に取り寄せたあご(飛魚)でだしを取り、食べていく間に吸物のようにトロリとしてくる仕掛けをした、工夫を凝らした一品をご賞味下さい。